・検査では、まずプラークの歯の表面への付着の有無や量を歯を器具でこすったり、
染め出し液で赤く染めたりして調べます。
また、歯周病には歯と歯肉の間の隙間が深くなってポケットを形成する特徴があるので、
目盛りの付いた特殊な針を差し込んでその深さを調べます。
さらに歯を指やピンセットなどで動かして、
動く方向や動く量などから周りの骨などの組織の破壊状態をしらべます。
そして、歯肉に隠れて目で見ることができない骨のなくなり具合はエックス線撮影で調べます。
・検査は最初の状態を調査・記録するだけでなく、
治療が進む過程でどの程度治っているのかを調べる重要な役割があります。
検査結果はすべて記録され、最初と現在の状態を比較し、さらに治療が必要か、
治っているので定期的な管理に切り替えるのか判断します。
・検査は治療を進める上で、とても大切なことなのです。
・毎日の喫煙習慣の積み重ねが、歯周病の発症や進行の危険性を高めるのです。
・タバコの煙の中のタールが歯の表面へ沈着し、
ざらざらのところに歯周病の原因のプラークがつきやすくなります。
また、ニコチンが肺や歯肉から吸収されると、歯ぐきの血流が悪くなったり、
病原菌と戦う白血球の動きが悪くなり、
歯周病の原因となる細菌が活発になることも報告されてます。
一日の喫煙本数や、喫煙年数が増えるとより高まります。
そうならないようにするためにはどうするのか?
そうです、“禁煙”が一番の特効薬です。
歯周病は、歯が抜けるだけでは済まない場合があります。
歯周組織にたまった細菌は血管を通って他の器官へ悪影響を及ぼすおそれがあるのです。
中度・重度の歯周病罹患者は、心臓病になりやすく、
未熟児出産の原因にもなるという研究報告などもあります。
・歯周病ほどの臭いはしませんが、むし歯が進行して神経が死ぬと腐敗臭がします。
むし歯がたくさんあるということは、ブラッシングが不十分であることです。
つまり、虫歯菌以外にもいろいろな細菌がお口の中に存在する可能性があります。
口臭を産生する歯周病菌が住みつき始めているかもしれません。歯周病の初期段階ともいえます。
・お口の中を清潔にすることが「さわやかな息」を保つ秘訣です。
・口臭の原因の多くは、お口の中に棲み着いている細菌が出す臭い物質です。
お口の中にいる約300種類もの細菌のうち、
空気を嫌う嫌気性菌とよばれる細菌が口臭の原因となるにおい物質を作り出しています。
・歯周病を引き起こす細菌も代表的な嫌気性菌です。
ですから、歯周病のある人は口臭もあることになりますが、
歯周病のない人でもお口の中に嫌気性菌がいれば口臭を放つ可能性があるわけです。
・嫌気性菌退治を効果的に行うためには、それらが棲み着いている場所を清掃することです。
歯ブラシによるブラッシングやデンタルフロスによる清掃はもちろん重要ですが、
実は舌の清掃が口臭予防にとても効果があるのです。
・舌のうえには舌苔と呼ばれる汚れが存在します。舌苔には細菌や食べかすなどが含まれ、
それ自体は悪さをしません。しかし、
清掃が不十分のために嫌気性菌をはじめとする細菌の量が増えてくると口臭の原因になります。
・舌の上には小さな突起がたくさんあって、とても複雑な形状をしているので、
タオルやガーゼでこするだけでは完全な清掃は難しいようです。
舌清掃用のブラシやヘラが市販されているので、それらを利用するとよいと思います。
ただ、舌の表面はとてもデリケートですので、傷つけないように優しく清掃して下さい。
・ぜひ大学病院や歯科医院で口臭を調べてもらいましょう。
・口臭のほとんどは、歯周病などのお口の病気に関係していますが、
実は自分自身では感じていない事が多いのです。
ですから口臭とは、「第三者が感じる、お口から出るいやな臭い」とも定義することができます。
他人の口臭は指摘しにくいものです。口臭が気になったら、ぜひ一度、
大学病院か歯科医院で「お口の臭い」を調べてもらってください。
・よくかんで食べることと、食後の歯磨きが大切です。
口臭の発生源は多くの場合、お口の中の細菌です。これを「生理的口臭」と呼んでいます。
通常、口臭はこのような生理的口臭と、
身体の病気(とくにむし歯や歯周病)と関係して発生する「病的口臭」とに分けられます。
生理的口臭は、1日のうちで起床時に強く発生します。
その後、歯磨きや食事をすることにより消えていきます。
食べ物を噛むことにより出る唾液も、臭いを洗い流してくれます。
唾液にはお口の中を清掃する働きもあるのです。
睡眠中は唾液の流出量が低下するので、朝起きたときに臭いが強くなります。
病的口臭の場合はむし歯や歯周病などが原因となっていることが多いので、
一度歯科医に診てもらうことをおすすめします。
・その他消火器に原因がある場合もありますので、その場合は内科の受診をおすすめ致します。
歯ブラシは、年齢やお口の中の状態によって使い分けるといいと思います。
・一般的には、奥歯の磨きにくい部分、
特に上顎の頬との間など歯ブラシの毛先が最も入りにくいところにまで届くようなヘッドの小さい
タイプ、そしてお口の中で自由に動くようにネックも細いほうがよいですね。
・歯肉を傷つけないように、ナイロン製・毛先は軟らかめ〜普通をおすすめしています。
・毛先の硬いものは、特に男の方などブラッシング圧が強くなりすぎることが多いので、
歯の根もとのセメント質を削ったり歯肉を傷つけやすいという理由で、
当院ではご使用を控えてもらっています。
・歯並びが悪い方は、1本1本を磨けるように小さい毛先の歯ブラシをおすすめしています。
・歯と歯の間は、その方個人にあったサイズの歯間ブラシを用いると効果的ですが、
無理なご使用は歯肉を傷めてしまいますので、歯科医師または歯科衛生士にお尋ねください。
まず、抜歯と診断せざるをえない状況についてご説明します。
・1本の歯は、歯肉の下の周囲四方を歯槽骨という骨に支えられて機能しています。
食事でも何でも噛める・スポーツの時に奥歯を噛みしめて力を出すなど、
日々大きな力を受けて働いてくれるのは全て歯槽骨が健康でこそのことです。
ただし、四方の骨の一部がまだ残っている、
骨をなくした元々の原因を除去した後に症状の改善があるなど、
ケースによってはエムドゲイン再生療法、
GTR法(歯周組織再生誘導法)の応用で抜歯をせず保存に努めることもあります。
詳しいレントゲン検査が必要です。
歯周病で抜歯を宣告されたということは、歯の土台の骨が大部分失われたという状況です。
指で押しただけでも歯が上下に動く、相手の歯と噛みあうだけで痛みがある、
日常生活を送るうえでかなりの苦痛を伴う程であれば、抜歯も避けられません。
永久歯の萌出後間もない頃は、ピンク色の弾力のある若々しい歯肉が歯と歯の間に隙間なく存在していたはずなのに様々な要因で歯肉は退縮します。
その原因の1つが歯周病による病的退縮です。
歯周病は、歯垢や歯石の硬いバリアの中に含まれる病原菌が歯肉の中に入り込み、
歯を支える歯槽骨を溶かしてしまう病気で、この時歯肉も下がってしまいます。
ところが、歯垢や歯石がついている時には、私たちの身体を守る白血球などの防衛軍が歯肉溝内で病原菌と戦っているので、歯肉は赤く出血しやすい腫れた状態になっています。
つまり歯肉が炎症を起こしているのです。
・適切な歯みがきの下に歯石除去を行うと、炎症がひき歯肉は急速に引き締まります。
その際、個々の歯の歯槽骨のラインまで歯肉が下がる為、歯と歯の間が広くなるのです。
・物が詰まりやすいなどの不便はありますが、その時点では歯肉は健康な状態に回復しているので、
決して悪い事ではありません。
・歯間ブラシを使用するセルフケアを実践させると、歯槽骨を守ることにつながり、
それ以上の歯肉退縮を予防することができます。
食事後に、歯と歯の間に食べ物が詰まり、つい爪楊枝を使ってしまう…よく目にする場面ですね。
・大きなものを取り除く程度の使用は差し支えないと思われますが、
無理に何度もつついてしまう行為は、歯肉自体に傷をつけ、
歯と歯肉を結びつけている線維を破壊してしまいます。
歯肉の退縮を早めてしまうので、避けてください。